医療法人の設立は、都道府県ごとに申請時期や手続きの流れが異なり、スケジュール管理を含め専門的な対応が求められます。
一般的に、事前相談・事前登録から設立認可までで約6か月、さらに法人としての診療所開設まで含めると、全体で10か月以上を要するケースも少なくありません。
また、定款作成や役員構成の検討、事業計画の策定、各種添付書類の準備など、検討すべき事項も多岐にわたります。加えて、都道府県や保健所との事前調整も重要なポイントとなります。
当事務所では、スケジュールの組み立てから、書類作成、行政対応まで一貫してサポートし、円滑な設立を支援いたします。
長期間にわたる手続きだからこそ、お客様と密に連携しながら、二人三脚で確実に進めてまいります。
医療法人の特徴
医療法人化は、一定の期間と手続きを要する一方で、経営に大きな影響を与える重要な選択です。
主なメリットとしては、所得分散による税務面の効果、社会的信用の向上、事業承継のしやすさなどが挙げられます。
一方で、手続きや運営上の規制が増えることや、役員構成の制約、社会保険負担などコスト面の増加といったデメリットもあります。
医療法人化は、こうしたメリット・デメリットを踏まえ、将来の運営や承継も見据えて検討することが重要です。
医療法改正による変革
医療法人は、医療法の改正により制度の見直しが重ねられ、現在の形へと変化してきました。
かつては出資持分のある医療法人が一般的でしたが、制度改正により持分なし医療法人への移行が進められ、現在は基金制度を前提とした形が基本となっています。
また、昭和60年の改正により、医師1名で設立・運営する「一人医療法人」が可能となり、現在の主流となっています。
このように医療法人制度は変化を続けており、現行制度を踏まえた適切な理解と対応が重要です。
医療法人の設立時期
医療法人の設立は、いつでも申請できるものではなく、都道府県ごとに定められたスケジュールに基づいて進める必要があります。
多くの場合、年に数回の受付期間が設けられており、そのタイミングに合わせて事前相談や書類準備を行うことが求められます。
また、事前相談から設立認可までには数か月を要するため、希望する時期から逆算して早めに準備を開始することが重要です。
スケジュールを見誤ると、次の受付まで長期間待つことになるため、計画的な対応が必要となります。
大阪府の場合
病院、診療所及び介護老人保健施設などすべての事業を大阪市内のみで行っている医療法人は、大阪市保健所が窓口となります。
大阪市以外に1か所でも事業所を設けている医療法人につきましては、大阪府が窓口となります。
下表は、大阪府のホームページからの抜粋です。
大阪市の場合も、似たようなスケジュールとなります。
| スケジュール | 1回目 | 2回目 |
|---|---|---|
| 1.設立事前登録 | 5月初旬から5月下旬 | 11月初旬から11月下旬 |
| 2.設立(医療法人制度等)に関する説明(動画視聴) | 6月中旬から6月下旬 | 12月中旬から12月下旬 |
| 3.仮申請書類の提出 | 7月初旬から7月下旬 | 1月初旬から1月下旬 |
| 4.仮申請書類の審査 | 受付後から9月中旬 | 受付後から3月中旬 |
| 5.本申請書類の提出 | 10月の土日祝を除く 月初日 | 4月の土日祝を除く 月初日 |
| 6.大阪府医療審議会への諮問 | 11月中旬から11月下旬 | 5月中旬から5月下旬 |
| 7.設立認可 | 1月上旬 | 7月上旬 |
| 8.認可書交付・法人運営と今後の手続きについての説明 | 1月上旬 | 7月上旬 |
| 9.法人診療所開設 | 3月1日 | 9月1日 |
兵庫県の場合
大阪府、大阪市と同じようなスケジュールになります。
| 申請書(案)提出期限 | ヒアリング | 県医療審議会での審議 | 設立認可 | 設立登記 |
|---|---|---|---|---|
| 毎年5月末 | 7月~8月頃 | 11月頃 | 12月頃 | 1月頃 |
| 毎年9月末 | 12月~1月頃 | 2月頃 | 3月頃 | 4月頃 |
ヒアリングは、提出した申請書(案)の事前審査を経て、2回実施されます。そのうち1回は、理事長となる予定の医師または歯科医師の方にも出席が必要となります。
京都府の場合
京都府は、申請の時期が年4回に設定されています。
| ① | ② | ③ | ④ | 必要な手続き |
|---|---|---|---|---|
| 1月 | 4月 | 7月 | 10月 | 下旬 (1)エントリー (概要書及びヒアリング日程調整票提出) |
| 2月 | 5月 | 8月 | 11月 | 上旬 (2)1回目ヒアリング 中旬 (3)2回目ヒアリング |
| 3月 | 6月 | 9月 | 12月 | 1日 (4)申請書の提出 中旬 (5)医療審議会の諮問 下旬 (6)認可書手渡し(翌月1日設立登記予定) |
医療法人の設立まで
医療法人の設立は、事前準備から認可、開設まで複数の段階を経て進みます。
事前相談、書類作成、申請、審査、設立登記、開設手続きといった流れで進行し、全体で一定の期間を要します。
1
設立事前登録
設立認可申請を予定している場合は必ず事前登録が必要になります。
2
申請書類の作成
必要書類をそろえて、定款や契約書など様々な申請に必要な書類を作成します。
3
設立総会の開催
設立者3名以上による設立総会を開催して、議事録を作成します。
4
申請
大阪府などは、本申請の前に、仮申請を行います。
仮申請書類の審査が通った場合に、本申請に進めることができます。
5
諮問(ヒアリング)
理事長など申請者の面談審査や実地審査などが行われます。
6
認可
審査を通過すると、「設立認可書」が交付されます。これにより、医療法人設立の認可が出たということになります。
7
設立登記
設立認可書の受領後2週間以内に登記を行います。
登記されることで、医療法人が成立します。
医療法人の設立後の手続き
医療法人設立登記の完了後、診療所の開設手続きや保健所への届出、厚生局への申請などを進め、診療開始の準備を整えます。
これらの手続きを適切に行うことで、スムーズな運営開始につながります。
- 診療所等開設許可申請書
- X線設置届
- 診療所開設届
- 保健医療機関指定申請
- 麻薬施用者免許申請
- 難病医療費助成指定医(難病指定医(協力難病指定医)指定申請
- 指定医療機関指定申請
- 労災指定医療機関等登録申請
- 被爆者一般疾病医療機関指定申請 一般疾病医療
- 生活保護法指定医療機関指定申請 生活保護
- 夜間・早朝等加算届
- 時間外対応加算届
- 明細書発行体制等加算届
- 機能強化加算届
- 外来後発医薬品使用体制加算届
- 胃がん検診及び胃がんリスク検診精密検査実施医療機関申請
- 医師届出票
- 保健師・助産師・看護師・准看護師業務従事者届
- 通行禁止除外指定者標章交付申請
