一人医師医療法人とは?

一人医師医療法人とは、「常勤する医師または歯科医師が1人または2人の診療所を開設している医療法人」を言います。法的な正式名称ではなく、通称です。ただし、設立、運営、権利及び義務に関して、上記の社団医療法人と変わりません。

昭和60年12月の医療法改正により、医療法人設立のために必要だった「医師もしくは歯科医師が3人以上勤務している」という条件がなくなったことにより認められました。
現在、医療法人全体の8割程度を占めています。

 医療法人一人医師医療法人
出資不動産はできる限り出資する。
土地・建物の両方を出資できないときはどちらか一方を出資。
不動産は出資が望ましい。
賃貸借契約が10年以上である場合には賃貸でも差支えない。
資産自己資本比率20%以上。
2ヶ月分以上の運転資金が必要。
2ヶ月分以上の運転資金が必要。
出資財産未収金は出資する。未収金は出資する。

一人医療法人の設立要件

一人医師医療法人を設立するには、通常の医療法人と同じ要件を求められます。

人的要件理事-3名以上
   「一人医師医療法人」の場合は、1名、または2名の理事でも良い
理事長-1名
    理事のうち医師または歯科医師1人から互選
監事-1 人以上
   ただし、法人の利害関係者や理事の親族などは就任できない
社員-3名以上
   株式会社でいう株主に近いものであり、従業員とは異なる
   出資は必須ではなく、出資しないでも社員となれる
施設要件診療所などを開設する土地や建物
しかし、10年以上の長期契約であれば問題ない
資産要件2カ月分の運転資金があること
個人時代の設備を買い取る資金があること
不動産、借地権、預貯金
医薬品、医療用器械、備品

ただし、運転資金は法人へ引き継げない

このように、様々な要件が生じます。

特に、「人的要件」では複数名の理事や監事などの役員を選ぶ必要があります。これらの役員による理事会や社員総会によって、医療法人が運営されていきます。

そのため、これまで個人開業の場合では院長先生がおひとりで全てを決めることができたことが、医療法人化するとできなくなるということになります。