一般社団法人での設立
平成20年12月に施行された「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律」により、一般社団法人や一般財団法人での医療機関(クリニックや病院)の開設が可能になりました。
一般社団法人の区分
おおまかに分けて次のとおり区分されます。
要件や目的などの違いにより分類されますが、なにより法人税法上の取り扱いが変わります。
- 公益社団法人、公益財団法人
- 非営利型法人の一般社団法人、一般財団法人
- 非営利型法人以外の一般社団法人、一般財団法人
このうち、一般社団法人での診療所を開設する場合、通常は「非営利型法人の一般社団法人」となります。
ここで重要となるのが、「非営利性」です。
医療法人などと同じく、一般社団法人で設立する場合でも、この非営利性を満たすことが必須となります。
非営利型法人の要件
非営利型法人としての要件は、次のとおり定義されています。
1.非営利性が徹底された法人
- 剰余金の分配を行わないことを定款に定めていること。
- 解散したときは、残余財産を国・地方公共団体や一定の公益的な団体に贈与することを定款に定めていること。
- 上記1及び2の定款の定めに違反する行為(上記1、2及び下記4の要件に該当していた期間において、特定の個人又は団体に特別の利益を与えることを含みます。)を行うことを決定し、又は行ったことがないこと。
- 各理事について、理事とその理事の親族等である理事の合計数が、理事の総数の3分の 1 以下であること。
2.共益的活動を目的とする法人
- 会員に共通する利益を図る活動を行うことを目的としていること。
- 定款等に会費の定めがあること。
- 主たる事業として収益事業を行っていないこと。
- 定款に特定の個人又は団体に剰余金の分配を行うことを定めていないこと。
- 解散したときにその残余財産を特定の個人又は団体に帰属させることを定款に定めていないこと。
- 上記1から5まで及び下記7の要件に該当していた期間において、特定の個人又は団体に特別の利益を与えることを決定し、又は与えたことがないこと。
- 各理事について、理事とその理事の親族等である理事の合計数が、理事の総数の3分の 1 以下であること。
一般社団法人として設立された診療所は、「非営利性が徹底された法人」にある要件すべてに該当する必要があります。
もし、その要件のうち、一つでも該当しなくなったときには、特段の手続を踏むことなく普通法人となります。
また、「共益的活動を目的とする法人」とは、公益社団法人や公益財団法人となります。
設立や運営方法などが、一般社団法人とは異なります。
「3 主たる事業として収益事業を行っていないこと。」という条件があるため、『医業保険業』にあたる診療所を主目的として開設することはできません。
逆にいうと、主たる事業でなければ、開設できることはできます。
地区医師会などの公益社団法人のように、従たる事業として診療所を開設しているところもあります。
診療所設立手続き
公証人役場で定款の認証を受けてから法務局で登記をすれば設立します。
一般的には、定款認証に1日、登記に1~2週間を要します。
その後、保健所に対して、診療所開設許可申請を行います。
保健所の許可をうけたうえで、診療後開設後10日以内に保健所に診療所開設届を提出します。
ほかに、保険医療機関指定申請などの必要な手続きを行います。
保健所への開設許可申請
一般社団法人で診療所を開設したい場合にも、保健所への開設許可申請は必要です。
しかし、一般社団法人での診療所開設は、地域の保健所により取り扱いが異なることが多くあります。
場合によっては、申請を受け付けてもらえないこともあるようです。
